連載20 キャラクターを囲む物質的な要素―――フィジカルライフ。


【座付き作家からの質問】


 フィジカルライフという用語について説明してください。


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【小松愛の回答】

 
 直訳すると「物質的な人生」になるでしょうか、スポーツジムで肉体を鍛えるという意味でも使われることがあるようです。


 シナリオ解析では「その人の部屋を見れば、その人がわかる」というように、小道具や衣装、それらをどう扱うか、キャラクターにとっての対象物全般をフィジカルライフと言います。


 上着ひとつとっても、キャラクターによって違いますし、上着の着方でも表現が変わります。理想現実では、フィジカルライフは小道具や衣装の使い方、生かし方として捕らえています。

 キャラクターによって、衣装や小道具の使い方を変えるというのは、役者が普段やっていることでもありますが、脚本に書かれている小道具や衣装を書き出し、その使い方をひとつずつ検討していきます。

 
 基本的にフィジカルライフは演出家主導で決めることですが、役者も積極的に考えることで小道具の持つ意味をしっかり把握することができます。ストーリーの中で、小道具がキーワードや伏線として使われることがありますから、それを理解した上で、演技プランを考えられるように、気をつけたいです。


 また、楽器など扱いが難しいフィジカルライフが登場する場合、前もって練習するとか、代役を立てるなど、役者と演出家で、よく相談しておく必要があります。


 脚本に指定がない場合は、こういう小道具を使いたいとか、こんな衣装はどうか、と積極的に提案するのは、役者にとって特に楽しい作業ではないかなと思います。


***   ***   ***   ***   ***   ***   ***   
 

【座付き作家からのコメント】

 脚本からフィジカルライフを想像する作業は、役者や演出家にとって楽しいイベントだと思います。脚本家にとっては、それが喜びになったりジレンマになったりもしますが、まぁ、その件は置いておきましょう。

 『内面を探ることがキャラクター創りの本筋』と解するメソッドも多いですが、フィジカルライフから役作りするのもなかなか面白いです。(マニアの方は『アメリカ対イギリス』『リーvsステラ論争』を想起されるでしょうが、もう少し広い意味で捉えて頂けたら幸いです)

 フィジカルライフを“遊べる”女優に、小松Pにはなってもらいたいです。 


連載19 観客を惹きつけるための仕掛け―――ルーティングインタレスト。


【座付き作家からの質問】


 ルーティングインタレストという用語について説明してください。



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【小松愛の回答】


  興味の基や核になるもの、になるかと思います。シナリオや映画には、観客が「登場人物を思わず応援したくなるような仕掛け」というのが、実はたくさん埋め込まれています。観客を飽きさせないため、商業的にもヒットさせるためなど、ストーリーアナリストがチェックする項目のひとつです。キャラクターに、ちょっとした欠点を持たせるとか、挫折を経験させる、目標を持たせるなど色々な方法があります。


 ただ、理想現実ではキャラクターの魅力くらいに捉えています。ルーティングインタレストを考える時は、演じる立場や自分とリンクできる部分を探すのではなく、物語全体を観客視点で考えるといのうがコツです。俗に入り込んでしまうというか、役者は自分自身に近づけてキャラクターを解釈する傾向があるものです。冷静に考えるためにも、観客視点での魅力を探っておくのは有効な作業です。


 お客さんの立場と言っても、それを想像するのは、もちろん自分です。子供が観たらどうかとか、お年寄りが観たらどうかとか、まずは少し違った角度からイメージしてみるということで良いかと思います。

 発展すると、シナリオ構造上、どういったキャラクター性を求められているのかを考えるきっかけにもつながっていきます。例えば最初と最後にちょっとだけ出演する役だったとします。物語全体で考えると、主人公の成長した様を明確にするという役割が見えてくることがあります。その場合、自分の役を情感たっぷりに演じるよりも、主人公のリアクションを目立たせるような演技プランを考えてた方が、そのキャラクターもより魅力的に見えると思います。

 それから、「客を意識するな」と演出家が言うことがあります。演技に集中させることを意図している場合、緊張をほぐすことを意図している場合などあるようですが、観客視点で俯瞰的に物語を読み、キャラクターの魅力を考える作業というのは、とても大事です。



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【座付き作家からのコメント】


 心躍らされる物語には、魅力的な登場人物がつきものです。ルーティングインタレストというと、とかく主人公や副主人公だけが対象になりがちですが、脇を固める登場人物たちの中にも、魅惑的な人物はたくさんいるでしょう。
 各々のキャラクターが持つ魅力をしっかりとつかまえて、的確に表現する──、それが役者業の面白さであり、難しさですね。


連載18 キャラクターの背骨と、3Dキャラクターという視点。



【座付き作家からの質問】

 前回に引き続き、キャラクター解析についてのお話です。
 『キャラクターの背骨』、及び『3Dキャラクター』という概念について解説して下さい。


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【小松愛の回答】

 
 キャラクターの解析をするときに、キャラクターの背骨、3Dキャラクターというカテゴリーでの考え方があります。


 まずは背骨についてご説明します。


 理想現実では、スルーラインと言うことが多いのですが、キャラクターが自分の人生において最も求めていることだとか、キャラクターのコンセプトという意味で使っています。

 
 背骨というのは、基本的に物語を通してずっと変わらない、キャラクターの信念や哲学、コンセプトだとイメージしてもらえればよいかと思います。

 同じキャラクターなのに、シーンごとにキャラクターがコロコロ変わってしまうと、見ている側は違和感を覚えてしまうと思います。演じる側としても、キャラクターに整合性や統一感を持たせる必要があります。背骨を決めるのは、こうしたブレをなくそうという技法のひとつです。

 例えば傘地蔵のお爺さんの背骨を考えると、

 
 愛する人を幸せにすること
 自分が幸せになること
 目の前の問題から背を向けること
 貧乏な自分を許してもらうこと
 今できることを精一杯やること

 
 と、いうように、同じ物語でもいくつか候補が挙げられます。
 背骨を何にするかは解釈なので、人によってマチマチです。最終的にどの背骨を使うかは、演出家に決める権限があるかと思いますが、同じ背骨でも、キャラクターが一貫して持っている信念や哲学、アイデンティティという意味で使われたり、超課題、超目標、目指すべきゴール、キャラクターのコンセプトという意味で使われたり、色々な意味で使われることがあります。

 人によって背骨という言葉の指す内容が違うことがあるので演出家が意図する背骨をしっかり理解することが必要です。


 もうひとつの、3Dキャラクターは、より立体的なキャラクターを創るための方法です。

 理想現実では、

 理性的側面・・・思考、哲学、世界観、等等(頭の中で考えること)
 感性的側面・・・感情、気質、性格、等等(心の中の状態、気分)
 行動的側面・・・行動の種類、アクション動詞、等等(見た目の結果)

 
 このように区分を3つに分けて考えます。

 ちゃんとしたシナリオライターであれば、この3Dキャラクターをしっかり考えながらシナリオを練っていますし、演出家もきちんとそれを拾い出し、3Dキャラクターを考えているものです。
ただ、これはとっても難しい作業なので、役者の立場であれば前回の2方向からのアプローチで充分だと思います。



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 【座付き作家のコメント】


  『背骨』という用語は演技界の定番でありながら、人によって使い方が違うので注意が必要ですね。

 3Dキャラクターは基本的に脚本家のテクニックなので、役者さんがそこまで勉強する必要はないでしょう。でも、勉強して損はないです。

 


連載17 心の中の話(信念・哲学)と、客観的情報(態度、行動)の整理。


【座付き作家からの質問】

 それぞれのキャラクター性をより深く理解するために、登場人物を2つの側面から検証するテクニックがあります。詳しく解説してください。


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【小松愛の回答】

 どんなキャラクターなのかを考える時、登場人物の『心の中』と、『見た目』とを分けて考える方法があるので、それをご説明します。


 『心の中』は、そのキャラクターが自分自身をどう思っているかや、価値観、哲学、信念、信条といったものを探ります。これは外からはわからないことなので、解釈は如何ようにもあると言えます。


 そして『見た目』の方は態度や振る舞い、行動そのものなどで、客観的にどう見えているか、周囲はその人をどう評価しているか、という他人から見える部分になります。 こちらは、シナリオから丁寧に拾い出してくる作業がメインです。


 どうして、こんな風に2つに分けて考えるかというと、キャラクターは心の中と行動が、必ずしも一致しているわけではないからです。

人助けをするという行動を取っていても、そのキャラクターの価値観が、

みんなが幸せになるべき
格好良い自分が大好き
恩を売って相手を利用する

と違えば、行動と心の中を照らし合わせて、誠実な人なのか、単なるナルシストなのか、不誠実な人なのか、というようにキャラクターの解釈も変わってきます。 「人助けをする=優しい」という紋切り型の考え方ではなく、行動と心の中を分けることで、より深くキャラクター性を考えることができるわけです。


 演出家と役者の間で解釈のズレがあると何度演じても、求められている表現に近づかないといったトラブルになりかねません。 『見た目』はシナリオから拾い出すこともできますが、『心の中』の解釈は人それぞれなので、この2つの側面で演出家と役者がしっかりとコンセンサスを築いておく必要があります。2つに分けて考えるのは、話し合いをするためのツールとも言えます。

 
 それから、「相手が好きだから、冷たくしてしまう」など、心と行動がズレている場合は、キャラクターが葛藤しているケースが多くみられます。役者が表現しなくてはいけないのは、まさに葛藤なわけですから、この2つを分けて考えられるようになっておくのは、演技をする上で大事です。

 
 実演の部分で言えば、複数のキャラクターで行動が同じ場合、(敵を倒すとか、試合に勝つとか)キャラクターによって価値観に違いをつけなければ、キャラがかぶっている状態になってしまいます。 1つのチームだとしたら、それぞれの価値観を変えることでキャラクター性をアップさせることができるわけです。 そもそも、まったく同じキャラクターなら居る意味がなくなってしまいますから。

 
 演出家との話し合いのツール、実演での重要性、そういった理由から、『心の中』と『見た目』は分けて考える癖をつけておいた方がよいかと思います。


***   ***   ***   ***  ***   ***   ***

【座付き作家からのコメント】

 なるほど、よくわかりました。

 キャラクターを平面的に理解するのではなく、より立体的な把握を目指すためには、『心の中』(哲学や世界観)と『外見』(態度や振る舞い)の2方向からアプローチする方法は有効だと思います。

 二次元の文字情報である脚本を、三次元の物語空間へ立ち上げるのが役者の仕事。立体的で奥行きのあるキャラクター表現を小松Pには常に期待しています。

連載16 葛藤(ストラグル)こそがドラマの基本。主人公は何に苦しんでいる?


【座付き作家からの質問】

 シナリオに欠かせない要素……、それは『葛藤』です。登場人物たちが葛藤するからこそ、そこにドラマが生まれるのです。
 葛藤について、(特に主人公の観点から)詳しく説明してください。


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【小松愛の回答】

 物語の主人公は、何かしらの目的を持っているものです。
 
 「高き霧の壁」の榊原比沙子であれば、世界中のウィルスを根絶させる、とか。
 「Deep Summer TREASURE」でのジムであれば、海賊からフリントの宝を守るとか。

 比沙子のように本人が最初から持っている能動的な目的もあれば、ジムのように巻き込まれて途中から目的を持つ場合もあります。いずれにせよドラマというのは主人公が何かしらの目的を持っていることが前提です。


 そして簡単に目的が達成されてしまえば物語はすぐに終わってしまいます。基本的には、アクト1で目的がセットアップされ、アクト2で目的達成を阻止するような障害が出てきます。数々の障害にぶつかることで主人公は葛藤します。それに対して主人公が新たな行動をとることで、ドラマが動き出すわけです。



 役者の仕事は葛藤を表現することと言えるかもしれません。葛藤を的確に表現するためには、役者は主人公が何に苦しんでいるのか?主人公は誰と戦っているのか?という情報を、演出家ときちんと共有することが大事です。葛藤の解釈が演出家の解釈とズレたまま実演に入ると、時間や労力のロスを招いてしまいます。



 さらに、シナリオの世界ではリンダ・シガー氏が、葛藤を生み出す対立構造を以下の5つに区分しています。


1.インナーコンフリクト…内的葛藤、主人公の内面での葛藤。真実を告白するか、しないか、など。


2.リレーショナル・コンフリクト…相対的葛藤、対人関係。桃太郎の鬼のように分り易い敵の場合もあれば、親友でライバルといった関係などもあります。


3.ソーシャル・コンフリクト…社会的葛藤、世間の習慣や悪習、体裁など。


4.シチュエーショナル・コンフリクト…状況的葛藤。酸素のない潜水艦の中や、自然災害といった状況事態が葛藤を生み出すもの。


5.コズミック・コンフリクト…絶対的葛藤。神対人間といったようなもの。

 


 コンフリクトは対立構造という意味です。ソーシャル・コンフリクトも、社会のメタファーのようなキャラクターが登場することで、リレーショナル・コンフリクトに落とし込んでいる場合も多いですし、突き詰めれば全ての葛藤はインナーコンフリクトになります。障害が巧みに盛り込まれているのが理想的なシナリオですが、障害のハードルが高すぎても、やりすぎという感じになってしまうので注意が必要ですね。役者の場合は「主人公の目的→障害→葛藤」という関係をしっかり押さえておけばよいと思います。

 
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【座付き作家からのコメント】

 目的(欲求)はあるものの、それを阻止する障害が山のように並んでいる──、だからこそ主人公は苦しんだり努力したり闘争したりするわけですよね。そして、その葛藤こそがドラマなわけです。

 シナリオライターは『いかに魅惑的な葛藤を生み出すか?』で悩み、役者は『その葛藤をいかに演じるか?』で悩む。個人的な見解ですが、映画や演劇は本質的にチーム競技だと思います。表現芸術を志す人間として、常にナイスなチームプレーを心掛けたいです。

 







 


連載15 押させておきたいセントラルクエスチョン



【座付き作家からの質問】


 セントラルクエスチョンについて、詳しく説明してください。


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【小松愛の回答】

 観客の興味を物語へ引きつけるために、冒頭で提示される謎のことをセントラルクエスチョンと言います。

 恋愛物なら、二人の恋は成就するのか?といった謎がアクト1で提示されます。アクト2では、セントラルクエスチョンに対する回答が良い結果なのか、悪い結果なのかの揺らぎがあり、どうなるのかハラハラさせられるのが、セオリーです。最終的にアクト3で、成就する!とか、しない!とか、答えが示されます。セントラルクエスチョンはアクト2での揺らぎを出すための前提とも言えます。

 
 セントラルクエスチョンを何にするかで、物語の描き方や演出の仕方もだいぶ変わってきます。たとえば、シンデレラのセントラルクエスチョンを「王子と結婚する」に設定すると、クライマックスを誘発する出来事にあたるプロットポイント兇蓮◆峅子が靴を拾う」になります。


 セントラルクエスチョンを「12時までに帰ってくる」と解釈すると、プロットポイント兇蓮◆孱隠音の鐘の音が鳴る」になり、王子との結婚までの残りの部分は少し長めのレゾリューションになるわけですそれぞれ、クライマックスをドラマチックに見せるために、前半の演出も変わってきます。


 セントラルクエスチョンは絶対に入れなくてはいけないわけではありませんが、これが提示されないと、「結局、私は何を見ればいいの?」と疑問が沸いてきます。私にとって、その代表が浦島太郎です。亀を助けて竜宮城へ連れて行かれ、帰ってきたらものすごい時間が経っていた、さらに玉手箱を開けたらお爺さんになっちゃったって・・・。


 人助けしても礼を受けるべからずとか、お姫様の嫉妬とか、解釈することもできなくありませんが、なんだかスッキリしません。決して浦島太郎が嫌いなわけではありませんが・・・浦島太郎って何が言いたいの?と、ずっと疑問でした。

 セントラルクエスチョンはYESかNOで答えられるのが一般的なのですが、この浦島太郎に無理矢理当てはめるとすれば、竜宮城はどんな所か?とか、浦島太郎の運命は?になりますかね。でも、結局、セントラルクエスチョンが明確にない物語だから、私からすると「何を見ればいいのか分からない物語」なんだと思います。

 
 物語に興味を持たせるための工夫、セントラルクエスチョンはその中心になるものなので、これがしっかりしてないと、やっぱりシナリオとしては、退屈になってしまうと思います。


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【座付き作家からのコメント】

 
 “とっつきやすさ”で言えば、セントラルクエスチョンが明確な方が確かに親切だと思います。多くのハリウッド映画が物語の冒頭(=第一幕)にセントラルクエスチョンを配置しているのも、『ある程度のわかりやすさ』を担保するための工夫でしょうから。
 
 そういえば小松Pも、理想現実の創作現場では常に『わかりやすさ』を重視していますよね。セントラルクエスチョンという概念は覚えておいて損はないです。 


連載14 三幕構成の解説。(状況設定→葛藤→解決、プロットポイント機供等)



【座付き作家からの質問】


 三幕構成について、詳しく説明してください。


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【小松愛の回答】

 私が主に勉強しているのが、この三幕構成での解析です。三幕構成は、以下の3つにシナリオを区分します。

 アクト .札奪肇▲奪
 
 アクト◆.妊ベロップメント
  
 アクト クライマックス&レゾリューション

 アクト,肋況設定と言ったり発端と言ったりもします。お話の時代や場所、登場人物を設定し読んでいる人に、この物語はどんな話なのか、誰が何をする物語なのかを提示する部分です。2時間映画のシナリオであれば、アクト。械以、アクト■僑以、アクト30分の割合がセオリーだそうですが、最近ではアクト,かなり短くなってきているようです。お客さんが物語にすぐに入っていける工夫ですよね。私もセットアップがダラダラと長く、何を見れば良いのか分からないような映画は眠くなってしまいます。
 
 アクト△蓮∧語の中心部です。主人公が何かに挑戦し挫折するとか、周囲から励まされるなど、葛藤があったりドラマが展開したりする部分になります。ディベロップメントは直訳すると発達ですが、役者の動きが速くなっていくようなイメージでライジングアクションと言ったり、コンプリケーション(複雑)と言うこともあるそうです。

 アクトは、劇的な瞬間と解決となります。アクト△播験した物語のオチであり、メインテーマの帰結に当たります。

 このアクト,らアクト◆▲▲ト△らアクトへ展開していくためのキッカケをプロットポイント機兇噺世い泙后アクト,把鷦┐気譴詁常から、非日常の世界、本当のストーリーが始まるところをプロットポイント気噺世い泙后その出来事があったから、いつもと違う人生を主人公が歩み始めたといえる出来事を探します。シンデレラで例えれば、魔法使いが現れ、舞踏会に行けるようになる、というところがプロットポイント気砲覆襪任靴腓Δ。

 プロットポイント兇蓮▲疋薀泙離ライマックスを誘発する出来事を指します。シンデレラなら、ガラスの靴を王子が拾う、になるかと思います。

 プロットポイント機兇何になるかは、自分が物語をどう解釈するかで変わってきます。脚本家の解析を当てるゲームではないので自分自身が解析を行い理解を深め、演出家と話し合いをするためのツールとして使えれば良いと思います。

 そうは書いていても実際はどこがプロットポイントになるのか、まだまだ手探り状態です。ほかにもミッドポイントだとかフックとかピンチとかシナリオ上のポイントがたくさんあるようですが、勉強を重ねるとシナリオが如何に構成で作られているか、よくわかりますね。


***   ***   ***   ***   ***   ***   

【座付き作家からのコメント】
 
 シナリオライター向けの書籍を紐解くと、さらにややこしい“三幕構成論”が百花繚乱ですが、役者さんがそこまで勉強する必要はないと思います。(もちろん勉強しても構いませんが……) あとは、この記事内容を感覚として把握するために、今後映画を観る時は、ほんの少しだけ三幕構成を意識するようにして下さい。

 すべてのシナリオが“スリーアクト”を意識して書かれているわけではありませんが、あえて三幕構成という雛形を使って考察してみると、思っていた以上に物語への理解度が深まります。「三幕構成、恐るべし!」です。


連載13 序破急、起承転結、三幕構成のいろいろ。


【座付き作家からの質問】


 シナリオは構成の魔術と言われます。日本では昔から序破急や起承転結などの構成が有名ですし、ハリウッドではスリーアクト・ストラクチャー(三幕構成)が主流のようです。

 それぞれの構成について、簡単に解説してください。



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【小松愛の回答】


 序破急は、音楽や舞踏などで使われる三つの区分です。初部・中間部・最終部を指したり、速度を意味することもあります。能の大家で知られる世阿弥が、序破急をさらに細分化して使用したこと
もあるそうです。

 序破急の解釈はかなり広く、三幕構成と同じ意味で使う人もいるようですが、基本的に序破急は音楽から生まれ出たもので、三幕構成とは違うものとして考えています。

 
 また、起承転結は漢詩の構成がルーツです。起は語ろうと思った理由を述べ、承はモチーフを受けて詳しく説明、転では違う話題を、結は全部を含めてのまとめを語るといった構成で、文章を書くときには起承転結を意識して書きなさいと、よく言われたものです。映画でいう起承転結は、三幕構成と近いのかもしれませんが、起承転結は文章をわかり易くまとめるための技法で、三幕構成は物語をわかり易く、かつドラマティックに魅せるための技法と考えています。


 起承転結は漢詩が元になっているので4つの区分がそれぞれ同じ分量ですが、三幕構成の第一幕(起承転結の起)は、かなり短いです。第一幕をセットアップ、第二幕をディベロップメント、第三幕をクライマックス&レゾリューションと言います。三幕構成はギリシャ時代から存在する物語の構成で、アリストテレスが開祖と言われているようですが・・・人々が「こんなことがあったよ」と、語る話を分析、分類してみると三幕に分けられるということをアリストテレスが語ったそうです。ハリウッド映画
の多くは三幕構成で作られているので、意外と慣れ親しんでいるものだと思います。


 シナリオ解析では、この三幕構成について勉強していく予定です。


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【座付き作家のコメント】


 実は私、脚本を書き始めた当初は『起承転結』にて構成を組んでいました。……で、その後紆余曲折を経て、今ではすっかり『三幕構成』派です。
 
 確かに、『起承転結』と『三幕構成』には相違点が少なからずあると思います。ただ、互換性もそれなりに高いので、余裕があれば両方とも学んでおきたいですね。


連載12 猪本式テーマカテゴリー


【座付き作家からの質問】

 
 私、座付き作家の猪本は、便宜上、作品のテーマをいくつかのカテゴリーにわけています。
 どのようなカテゴリーがあったか、覚えていますか?


***   ***   ***   ***   ***   ***   ***


【小松愛の回答】

 復習をしながら・・・まずはテーマ自体は2つに分かれます。
 抽象的なテーマと具体的なテーマです。

 前者は、「愛情」とか「実存」など括りが大きく、言ってしまえばどんな物語にでも当てあまるもの。
 後者は、その物語だからこそ当てはまるもの、その物語特有のテーマと言えるものです。
 
 「Deep Summer TREASURE」なら・・・


 トラブルに巻き込まれて冒険に出ることになった主人公のジムだが、家族や仲間を守るため主体的に行動するようになる。ジムが成長する姿を見せることで、人生は決断の連続であり、自分が何者であるかを決めるのは自分だということをメッセージした物語・・・みたいな感じでしょうか。


 どんなテーマも抽象的にも具体的にも語ることができますが、シナリオ解析では、具体的なテーマを主に考えていくことになります。具体的なテーマをさらにカテゴリーに分けると・・・



 ー臘シ
 主張したことが分かりやすく提示されている。「生きるとは何か?生きるとは主体的に決断を下すことだ!」みたいに、答えも提示している。


 環境提示・問題提起型
 作者側の意図や示唆を含んだ環境や状況を物語で提示することで、観ている人に問題提起を投げかけるもの。「こういう人生をどう思いますか?生きるとは何でしょうね?」と問いかける、シナリオでは最も多い形。答えまでは提示しないけど、作者の答えも見え隠れするものが多い。


 4超提示・投げっ放し型
 環境は提示するけど、作者の意図が書かれていないもの。どう解釈するかは観客次第。


 っ蠑欒鞠扱
 最初に分けた抽象的・具体的テーマの、抽象的テーマしかないもの。抽象的なテーマ「時」とか「人間」など、なんとなく分かるような、分からないような・・・不条理劇などに多い。

 
 ゥ皀繊璽娵
 作者がその物語を書くキッカケがそのまま作品にのテーマとして語られるようなもの。この人物・事件を忠実に映像化すること自体がテーマというようなタイプ。

 
 Δ修梁
 テーマない、なんとなく書いちゃった。

 
 ・・・と、なります。あくまで便宜上、分類しただけであって、カテゴライズすることが大事なわけではありません。モチーフ型でありながら、主張型でもあるという作品もありますし、臨機応変に使いこなせば良いものです。


 ただ、私は観ていて何が言いたいのか結局分からない作品や、風景をそのまま切り取ったという作品は正直、好きじゃありません。自分の役に立ったり、励まされたりする作品が好きなので、観るにしても演じるにしても、主張型や問題提起型が好きです。



***   ***   ***   ***   ***  ***   ***


【座付き作家からのコメント】


 私、猪本が物語のテーマをわざわざカテゴライズする理由は、役者と演出家のディスカッションを円滑に進めたいがためです。

 このような方法を用いなくてもディスカッションがスムーズに進むのであれば、それはもうそちらの方が素敵だと思います。

 この分類法を杓子定規に取り入れる必要はまったくありません。御自身の使いやすいようにカスタマイズして、小松P流に使ってもらえれば幸いです。


連載11 テーマを探す時のヒント。(主人公から何を学べるのか?)



【座付き作家からの質問】


  テーマという言葉は、かなり幅広く使われています。「テーマ=メッセージ」と解する場合もあれば、時にはモチーフのことを、時にはコンセプトのことを、時にはログラインのことを、テーマという言い方で表現する場合もあります。ややこしいです。

 そこで、今回俎上にあげる『テーマ』については、『作品のメッセージ性』という意味に限定した上で話を進めましょう。

 さて、物語のテーマを探す時にはいくつかのコツがあるそうです。そのうちのひとつを是非教えてください。

***   ***   ***   ***   ***   ***   ***   



【小松愛の回答】

 作品のメッセージ性とは、要は物語を見て学べること、感じ取れることという意味です。もっと細かく言うと、物語は原則的に主人公を中心に話が進みます。そこで観客に提示されるのは、主人公の生き様ですから、主人公の言動、行動や選択、決断から何を感じ、学べるかが、テーマということです。もちろん、作り手のメッセージを必ずしも観客が同じように受け取るとは限りませんが。

 
 
 主人公が直接的にテーマを担う場合と、間接的に担う場合があるので、何をメッセージしている作品なのかを探し出すのが難しい場合もあります。
 
 
例えば、世界平和のために尽力する主人公であれば、平和の大切さを訴えることがテーマになりえます。

 それから、戦争によって不幸な境遇に陥る主人公を描くことで、間接的に平和の大切さを訴える作品もあります。

 主人公の主張とテーマが一致している作品は、お子様向けとか、分かり易過ぎるなんて言われることもありますが、私は直接的な作品のほうが好みです。


 ただ、結局のところ、主人公の言動というのは、他のキャラクターの言動も絡んでくるので、主人公だけに注目するというよりは、サブキャラクターの言動も併せてみていくことになります。

 傘地蔵を例に考えると、キャラクターの言動は、

 おじいさんの言動・・・お地蔵さんに売り物の傘や、自分の手ぬぐいをかぶせてあげる。

 おばあさんの言動・・・おじいさんの行動をほめる。

 お地蔵さんの言動・・・年越しに必要な品々を置いていく。


 キャラクターの言動から、思いやりの大切さがテーマだと考えたとします。


 さらに、売り物の傘をお地蔵さんにあげて、おばあさんが怒ってしまったら、とか、お地蔵様が傘はいらないと返しにきたら・・・と、逆のことを考えてみます。そうすると、自分が良いと思ったことと、相手が喜ぶことは異なる、なんてテーマが考えられますから、言動を逆に考えてみるのも、テーマ探しのコツです。

 

 それから、おじいさんとおばあさんが、無事にお正月を迎えられるのか、というのが、話の中心になるわけですが、おじいさんがお地蔵さんに傘をあげたおかげで、無事にお正月を迎えられることになったので、主人公の言動が、話の展開にどう左右したのか、というのも、考えるときののコツじゃないかと思います。


 ・・・と、頭では分かっていてもテーマを言葉にして説明するのは、やっぱり難しく、私はいつも苦戦しています。感受性の豊かな人なら、考えなくても様々なテーマに気づけるかもしれませんが、私の場合は、読んでも分からないことが多いので、とにかく分解して1つずつ探していくしかないと思っています。



***   ***   ***   ***   ***   ***   


【座付き作家からのコメント】


 なるほど、テーマ探しのコツは『主人公の言動(台詞や行動)の裏側に見えるものを探す』ということですね。

 ただし、それはあくまでコツのひとつであって、他にも多種多様なアプローチがありうるでしょう。今後、さらなる勉強を積み重ね、様々な“テーマ探し法”を模索してみてください。

 


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