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連載24 登場人物の関係性。


【座付き作家からの質問】

 ほとんどのシナリオには、主人公を含む様々な人物が登場します。登場人物同士の関係性をいかに把握するかも、シナリオ解析の大切な要素です。

 そのあたりのことをわかりやすく解説して下さい。


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【小松愛の回答】
 
 ドラマの基本は葛藤であるということを以前、書きました。様々な対立構造は基本的にはリレーショナルコンフリクト(人間関係における葛藤)という形で表現されます。

 村の掟に対して疑問を抱くというストーリーであれば、本来は「個人 対 村の掟」ですが、村社会を象徴するキャラクター、例えば村長を登場させ、主人公と村長を対立させるといった具合です。

 テーマやメッセージを表現するために書かれたシナリオであれば、それを担うのは登場人物ですから、登場人物の間にある対立構造を整理することが、葛藤の構図を整理することになります。


 どういう対立構造があるのかが分かれば、ストーリー上のキャラクターの役割が分かってきます。演技プランを考える上でも、このメタの役割を理解しておくことは大事なことです。


 登場人物の関係性を整理する時は、データを地道に拾い上げていく方法と、アーキータイプに当てはめるという方法があります。

データを抽出する場合は、地道に情報を整理していきます。

ゝ嗚楙紊寮瀋
 友達、恋人、同僚等々

脚本上明らかになっているバックストーリー
 それぞれのキャラクターたちの過去に何があったかを整理

周囲のキャラクターに対する喋り方、態度
 ステイタスや親密度などを計る

ぜ囲のキャラクターに対して求めていること、させていること
 求めていることを相手がしなければ葛藤が生まれる

ゼ囲のキャラクターに対して主体的に行うこと
 その行為を相手のキャラクターがどう思っているか

アーキータイプとは、ヒーロー/シャドウ/メンター/シュレスホールドガーディアン/ヘルパー/シェープシフター/トリックスター/ヘラルド、とギリシャ神話を元にした役どころの大きなカテゴリーです。これを使って役割を探る方法です。

 シナリオに同じ意見の人が登場しても意味がありません。キャラクターに差異があるからこそ、テーマを浮かび上がらせることができます。そういった仕組みを理解するためにも、情報を丁寧に拾える時はデータを抽出する方がよいかと思います。


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【座付き作家からのコメント】

 物語における人間関係を整理することは、すなわち物語そのものを見極める作業です。
 登場人物の構図を的確に把握し、かつ予定調和に陥らない表現を小松Pには模索してもらいたいです。