<< 連載12 猪本式テーマカテゴリー | main | 連載14 三幕構成の解説。(状況設定→葛藤→解決、プロットポイント機供等) >>

連載13 序破急、起承転結、三幕構成のいろいろ。


【座付き作家からの質問】


 シナリオは構成の魔術と言われます。日本では昔から序破急や起承転結などの構成が有名ですし、ハリウッドではスリーアクト・ストラクチャー(三幕構成)が主流のようです。

 それぞれの構成について、簡単に解説してください。



***   ***   ***   ***   ***   ***   ***


【小松愛の回答】


 序破急は、音楽や舞踏などで使われる三つの区分です。初部・中間部・最終部を指したり、速度を意味することもあります。能の大家で知られる世阿弥が、序破急をさらに細分化して使用したこと
もあるそうです。

 序破急の解釈はかなり広く、三幕構成と同じ意味で使う人もいるようですが、基本的に序破急は音楽から生まれ出たもので、三幕構成とは違うものとして考えています。

 
 また、起承転結は漢詩の構成がルーツです。起は語ろうと思った理由を述べ、承はモチーフを受けて詳しく説明、転では違う話題を、結は全部を含めてのまとめを語るといった構成で、文章を書くときには起承転結を意識して書きなさいと、よく言われたものです。映画でいう起承転結は、三幕構成と近いのかもしれませんが、起承転結は文章をわかり易くまとめるための技法で、三幕構成は物語をわかり易く、かつドラマティックに魅せるための技法と考えています。


 起承転結は漢詩が元になっているので4つの区分がそれぞれ同じ分量ですが、三幕構成の第一幕(起承転結の起)は、かなり短いです。第一幕をセットアップ、第二幕をディベロップメント、第三幕をクライマックス&レゾリューションと言います。三幕構成はギリシャ時代から存在する物語の構成で、アリストテレスが開祖と言われているようですが・・・人々が「こんなことがあったよ」と、語る話を分析、分類してみると三幕に分けられるということをアリストテレスが語ったそうです。ハリウッド映画
の多くは三幕構成で作られているので、意外と慣れ親しんでいるものだと思います。


 シナリオ解析では、この三幕構成について勉強していく予定です。


***   ***   ***   ***   ***   ***   ***


【座付き作家のコメント】


 実は私、脚本を書き始めた当初は『起承転結』にて構成を組んでいました。……で、その後紆余曲折を経て、今ではすっかり『三幕構成』派です。
 
 確かに、『起承転結』と『三幕構成』には相違点が少なからずあると思います。ただ、互換性もそれなりに高いので、余裕があれば両方とも学んでおきたいですね。