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連載12 猪本式テーマカテゴリー


【座付き作家からの質問】

 
 私、座付き作家の猪本は、便宜上、作品のテーマをいくつかのカテゴリーにわけています。
 どのようなカテゴリーがあったか、覚えていますか?


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【小松愛の回答】

 復習をしながら・・・まずはテーマ自体は2つに分かれます。
 抽象的なテーマと具体的なテーマです。

 前者は、「愛情」とか「実存」など括りが大きく、言ってしまえばどんな物語にでも当てあまるもの。
 後者は、その物語だからこそ当てはまるもの、その物語特有のテーマと言えるものです。
 
 「Deep Summer TREASURE」なら・・・


 トラブルに巻き込まれて冒険に出ることになった主人公のジムだが、家族や仲間を守るため主体的に行動するようになる。ジムが成長する姿を見せることで、人生は決断の連続であり、自分が何者であるかを決めるのは自分だということをメッセージした物語・・・みたいな感じでしょうか。


 どんなテーマも抽象的にも具体的にも語ることができますが、シナリオ解析では、具体的なテーマを主に考えていくことになります。具体的なテーマをさらにカテゴリーに分けると・・・



 ー臘シ
 主張したことが分かりやすく提示されている。「生きるとは何か?生きるとは主体的に決断を下すことだ!」みたいに、答えも提示している。


 環境提示・問題提起型
 作者側の意図や示唆を含んだ環境や状況を物語で提示することで、観ている人に問題提起を投げかけるもの。「こういう人生をどう思いますか?生きるとは何でしょうね?」と問いかける、シナリオでは最も多い形。答えまでは提示しないけど、作者の答えも見え隠れするものが多い。


 4超提示・投げっ放し型
 環境は提示するけど、作者の意図が書かれていないもの。どう解釈するかは観客次第。


 っ蠑欒鞠扱
 最初に分けた抽象的・具体的テーマの、抽象的テーマしかないもの。抽象的なテーマ「時」とか「人間」など、なんとなく分かるような、分からないような・・・不条理劇などに多い。

 
 ゥ皀繊璽娵
 作者がその物語を書くキッカケがそのまま作品にのテーマとして語られるようなもの。この人物・事件を忠実に映像化すること自体がテーマというようなタイプ。

 
 Δ修梁
 テーマない、なんとなく書いちゃった。

 
 ・・・と、なります。あくまで便宜上、分類しただけであって、カテゴライズすることが大事なわけではありません。モチーフ型でありながら、主張型でもあるという作品もありますし、臨機応変に使いこなせば良いものです。


 ただ、私は観ていて何が言いたいのか結局分からない作品や、風景をそのまま切り取ったという作品は正直、好きじゃありません。自分の役に立ったり、励まされたりする作品が好きなので、観るにしても演じるにしても、主張型や問題提起型が好きです。



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【座付き作家からのコメント】


 私、猪本が物語のテーマをわざわざカテゴライズする理由は、役者と演出家のディスカッションを円滑に進めたいがためです。

 このような方法を用いなくてもディスカッションがスムーズに進むのであれば、それはもうそちらの方が素敵だと思います。

 この分類法を杓子定規に取り入れる必要はまったくありません。御自身の使いやすいようにカスタマイズして、小松P流に使ってもらえれば幸いです。