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連載6 脚本解析とは何か? 何のためにあるのか?



【座付き作家からの質問】

  
 映画用語ということもあり、“シナリオ解析”という言葉を演劇界で耳にする機会はさほど多くありません。当ブログの読者の中にも、「シナリオ解析? 聞いたことないなぁ」と首を傾げている方々が少なからずいらっしゃると思います。


 そこで、まずはシナリオ解析の概論を教えて下さい。一体どういうもので、何のためにあるのか、小松愛なりの視点で語って頂ければと思います。



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【小松愛の回答】

 映画用語という話がありましたが、ハリウッドでは、まずはストーリアナリストという職業の人がシナリオを読み、シナリオ解析をして商品としての価値を評価分析し企画書にするんだそうです。プロデューサーは企画書を読んで、面白いとか、ヒットすると思ったシナリオだけに目を通し、映画化を検討するわけです。プロデューサーが大量に持ち込まれるシナリオ全てを読むのは難しいからだそうです。


 始まりはハリウッドのストーリアナリストですが、他にも演出家がどういう風に演出していくか考えるための解析もあれば、シナリオライターがリライトするために使う解析もあって、誰が何のために使うかによって色々なシナリオ解析方法があります。

 
 他の解析と共通するところもありますけど、私が今、勉強しているのは、役者が使うためのシナリオ解析です。この解析では、脚本をどう解釈するかということを考えていきます。

 
 解釈は読む人によって変わるものなので、化学的に成分を調べて結果を出すのとは違うのが難しいところかもしれません。ただ、イメージとしては脚本という長い文章を敢えて、細かく分解して調べていくような、地道な作業だと思います。調べる項目も色々あります。


 演出家の解釈とズレがないかを確認するためにも、解析をして、まずは自分の解釈をまとめておく必要があります。ズレがないか確認せずに、後になって「こんな作品だったとは!?」と、思わぬ事態に陥ることのないよう、自分の身を守るためにも必要な作業だと思っています。



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【座付き作家からのコメント】
 

 解析する人の立場によって、シナリオ解析の方法論には様々な差異が生じます。その違いをきちんと理解した上で、小松愛独自の解析メソッドを構築してもらいたいです。