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著作権へのリスペクト(4)〜表現者としての誇り〜

前回は音楽の無断使用について私見を述べさせてもらいましたが、小劇界における著作権絡みの問題は、(悲しいかな)音楽の無断使用にとどまらず、脚本創作においても垣間見ることができます。
私自身のこれまでの小劇体験を紐解けば、既存の作品を安直に“パクッた”脚本と出会う確率は決して低くありませんでした。


もちろん、パロディや換骨奪胎がイコール著作権侵害になるというわけではないことは理解しています。
著作権侵害が原則親告罪であることも考慮すれば、自分のアイディアを盗まれたわけでもない私が、この件に目くじらを立てていることに違和感を覚える方もいるでしょう。


繰り返しになってしまいますが、誤解のないように、もう一度書かせて頂きます。
私が声を大にして訴えたいのは、著作権侵害に関わる法律論争ではありません。
脚本にしても音楽にしても、『作者の許可も無く、既存の作品を勝手に、かつ安直に使えてしまう』という姿勢そのものに怒りを感じるのです。
そういう人たちに対して、私は「表現者としてのプライドや責任感が欠落しているのでは?」と疑問を投げ掛けたいし、むしろ表現に携わる資格がないとさえ思ってしまいます。


そのような“プライドなき姿勢”を正すひとつのツールとして、私は著作権リテラシーに期待を寄せています。
著作権に関することを皆で勉強することで、創作時における安直な無断盗用が少しでも減ればよいと考えています。
結果手にそれは、自身のオリジナリティを妥協なく探求することにつながり、小劇場のクオリティを飛躍的に上昇させる起爆剤になるのではないでしょうか。


また、著作権の知識がなくて、まったく無自覚で盗作をしてしまうケースについても考えておきたいと思います。
これは私自身の反省の弁でもありますが、やはり演劇というコンテンツに関わると決めた以上は、自分から著作権について勉強する主体性を持つべきです。
未成年であれば、それこそ「知りませんでした」で許される部分があるのかもしれませんが、小劇の大多数は二十歳を過ぎた“いい大人”なわけだから、「知りませんでした」ではいささか情けないと思います。


(私も含め)小劇場に関わる人たち自身が、今まで以上の繊細さで、著作権……というか“他者の創作物”に対して敬意を払うべきです。
それはつまり、最終的には自分自身の作品を守るということにもなるでしょう。

自分自身の作品を大切にし、それと同じく他者の作品も大切にする。

そういう誠実さ、謙虚さが、今の小劇場に求められている『創作の出発点』なのではないでしょうか。